2018年6月13日水曜更新.3,267記事.5,316,431文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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前立腺癌治療薬一覧

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分類名商品名一般名
抗アンドロゲン薬ザイティガアビラテロン酢酸エステル
抗アンドロゲン薬イクスタンジエンザルタミド
抗アンドロゲン薬カソデックスビカルタミド
抗アンドロゲン薬オダインフルタミド
抗アンドロゲン薬プロスタールクロルマジノン酢酸エステル

がん患者に対する服薬指導では、特に患者に寄り添う姿勢が求められる。

前立腺癌の治療

アンドロゲン受容体の活性化を抑えることが癌の伸展を抑えるため、内分泌療法が薬物療法の基本となる。

GnRHアゴニスト(リュープロレリン、ゴセレリン)、GnRHアンタゴニスト(デガレリクス)、抗アンドロンゲン薬(フルタミド、ビカルタミド、プロスタール)が用いられる。
エストラサイトは、抗悪性腫瘍薬と抗アンドロゲン薬の二つの作用があるが、心血管イベントを起こしやすく抗凝固薬の併用が奨められる。

内分泌療法に奏功しなくなった去勢抵抗性前立腺癌にはドセタキセル、アンドロゲン受容体拮抗薬であるエンザルタミド、アンドロゲン代謝阻害薬であるアビラテロンが生存期間を延長する。
アビラテロンは副腎でのホルモン産生も抑制するためステロイドの補充を行う。
ドセタキセル不応となった患者では、新規タキサン系薬剤であるカバジタキセルが有効である。
カバジタキセルでは骨髄抑制による発熱性好中球減少症に注意する。

前立腺癌はホルモン依存性の癌で、男性ホルモンの影響を受けて進行する。
このため前立腺癌に対する薬物療法はホルモン療法(内分泌療法)が第一選択であり、その臨床効果においてこれを凌駕する他の薬物療法は現在までのところ登場していない。
ホルモン療法の効果は著名で、治療開始直後はほとんどの症例でPSA値の低下が見られる(近接効果)が、2~3年で効果が弱まり、PSA値が再上昇する。
ホルモン療法でコントロールができなくなった場合は抗癌剤を用いた化学療法を実施するが、相対的に副作用が強いことなどから、可能な限り長い間、ホルモン療法を継続することが、薬物療法の基本方針となっている。
そこで問題となるのが、ホルモン療法により男性ホルモンの分泌が抑えられている(内科的去勢)にもかかわらず進行する「去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)」である。

LH-RH製剤

我が国で最も一般的なホルモン療法は、LH-RH製剤(LH-RHアゴニストあるいはLH-RHアンタゴニスト)と抗アンドロゲン薬の併用療法(複合アンドロゲン阻害療法、CAB療法)もしくはLH-RH製剤の単独療法である。
LH-RH製剤は、下垂体に作用して性腺刺激ホルモンの分泌を抑制し、抗アンドロゲン薬は前立腺癌細胞表面のアンドロゲン受容体に作用して、癌細胞の増殖シグナルを阻害する。
わが国における臨床研究では、2剤を併用するCAB療法が他のホルモン療法と比較して有意に予後を改善するという結果が示されている。
LH-RHアドニストにはゴセレリン酢酸塩(ゾラデックス)とリュープロレリンがあり、いずれも徐放性の注射薬(デポ剤)である。また2012年からはLH-RHアンタゴニストであるデガレリクス酢酸塩(ゴナックス)も使用できるようになった。LH-RHアンタゴニストではLH-RHアゴニスト投与開始時に見られる一過性のテストステロン上昇や、それに伴う前立腺癌随伴症状の増悪(フレアアップ)がなく、急速に血中テストステロン値を低下させるため、フレアアップとして尿路閉塞や骨痛、脊髄圧迫などが懸念される症例では有用である。

抗アンドロゲン薬

抗アンドロゲン薬としては、構造式の中にステロイド骨格を有するステロイド性抗アンドロゲン薬である酢酸クロルマジノン(プロスタール)と非ステロイド性抗アンドロゲン薬であるフルタミド(オダイン)、ビカルタミド(カソデックス)がある。2014年5月にエンザルタミド(イクスタンジ)が発売され、選択肢が増えた。

CYP17阻害薬

ザイティガは精巣や副腎などで働く酵素CYP17の阻害薬であり、17α-ヒドロキシラーゼと17、20リアーゼ活性を阻害することによりアンドロゲン合成を阻害する。
食事の影響により、最高血中濃度(Cmax)と血中薬物濃度時間曲線下面積(AUC)が上昇するため、食事の1時間前から食後2時間までの服用は避ける。
頻度の高い副作用としては、肝障害、低カリウム血症などがある。ザイティガによりアンドロゲン合成が阻害されるのに伴い、コルチゾールの産生が減少する。すると、フィードバック作用により、ミネラルコルチコイド作用を持つステロイドの血中濃度が増加し、高血圧、低カリウム血症、体液貯留といった有害事象につながる。そのため、ザイティガの投与時には、コルチゾールの減少を補う目的で経口ステロイドのプレドニン(プレドニゾロン)を必ず併用する。

参考書籍:日経DI2014.12

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