2018年12月15日更新.3,343記事.5,774,031文字.

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パーキンソン病に抗コリン薬は使わないほうがいい?

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抗コリン薬とパーキンソン病

パーキンソン病に見られる振戦を止める薬として用いられています。
では、そもそも振戦はどうして起こるのでしょう。

健常状態にある線条体神経では、コリン作動性神経とドーパミン神経は均衡状態にあり、運動が調節されています。
ところがパーキンソン病になり、近隣する黒質部でドーパミンが現象すると、線条体に信号を送るドーパミン神経からの「抑制」刺激が生じます。

それにより、アセチルコリンによる興奮刺激のほうが優位となり、運動器官に運動刺激が伝わってしまい、意図せずとも運動が起こってしまいます。
これが振戦だという説明です。

抗コリン薬は、アセチルコリン受容体を遮断することで、相対的に優位となっていたアセチルコリン系の作用を抑制し、両神経系の作用を抑制し、両神経系の不均衡を是正しようとするものです。

たしかに効果的であるという知見から、振戦の症状が出ると使われることが多いのですが、抗コリン薬は、黒質線条体のみでなく、全身の臓器の生理的機能にかかわるコリン作動性神経にも作用してしまうため、思わぬ二次性の障害を引き起こすこともあります。
この薬は使うのも止めるのも難しい薬であるという認識が必要です。

パーキンソン病と抗コリン薬

抗コリン薬は、エビデンスはないが経験的に振戦に効果があるといわれている。
しかしながら、コリンを減少させるため認知症合併の可能性があるのでできるだけ使用量は低く保つことが必要である。
重症筋無力症、緑内障、尿路閉塞性疾患には禁忌である。

パーキンソン病の治療はドパミン作動性治療が主流であるが、抗コリン薬が用いられる場合もある。
抗コリン薬は近年、高齢者における前頭葉機能や認知機能障害への危惧やムスカリン作動性の末梢性副作用から積極的には用いられなくなっているが、古くから継続使用されている場合や、若年者でドパミン作動性治療によって期待通りの効果が得られない場合には使用される。

認知症を伴ったパーキンソン病やびまん性レビー小体病では、脳のアセチルコリン系の障害があることが明らかになっている。
前脳基底核から前頭葉への上行性アセチルコリン投射は意識、注意、選択、識別など感覚刺激の情報処理、つまりは高次脳機能に重要な役割を果たしていると考えられている。
パーキンソン病患者では意識レベルの軽い低下や注意力の変動に伴って精神症状が出現しやすくなると考えられ、前頭葉皮質のアセチルコリン低下が精神症状発現の要因となり得る。

参考書籍:調剤と情報2015.5

中枢性抗コリン薬

レボドパ出現以前にはパーキンソン病(及び症候群)の薬物療法の中心であったが、レボドパとドパミン受容体作用薬の登場後は、主に併用薬として使用される。
筋固縮と振戦に対する効果が高いが、無動、寡動に対する効果は劣る。

パーキンソン病の初期・軽症例や振戦の強い例では第1選択薬として使うことができる。
症状が進行し、無動が強まればレボドパ製剤を併用する。

高齢者には使用を避ける。
記憶障害や幻覚、せん妄が出現しやすい。

パーキンソン病以外の種々のパーキンソン症候群には、レボドパより有効なことがある。
作用機序は大脳基底核線条体のコリン作動ニューロンの抑制である。
黒質線条体のドパミン作動ニューロンの機能低下によって生じた、コリン作動系ニューロンの相対的機能亢進状態を抑制することにより、ドパミン系とコリン系のバランスを回復させる。

抗コリン薬

酸分泌抑制効果は不十分で、口渇などの副作用があるため、いわゆる鎮痙薬として腹痛に対して用い、潰瘍治療薬として用いられることはほとんどない。
アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを阻害し、副交感神経を抑制する。抗コリン薬は様々な病気に使われます。

ブスコパンやチアトンは、主に鎮痙剤として腹痛の症状を抑えるために処方されます。
チアトンは抗コリン薬の中でも、選択的ムスカリン受容体拮抗薬に分類され、胃に対する選択性が高いです。

・当初抗コリン薬は、胃酸分泌抑制薬としても使用されたが、近年、他のより効果的な胃酸分泌抑制薬の登場により、主に鎮痙薬として使用されている。
・アセチルコリンのムスカリン作用を抑制する。
・抗コリン薬は緑内障、麻痺製イレウス、重篤な心疾患、尿閉には禁忌である。

平滑筋収縮を持続的に抑制する薬剤を総称して鎮痙薬といい、鎮痙薬は抗コリン薬とほぼ同義である。

選択的ムスカリン受容体拮抗薬であるチキジウム(チアトン)は、副作用としての排尿障害が少ない。

・副作用発現時には、薬剤の中止、減量が基本であるが、拮抗薬としてコリンエステラーゼ阻害薬(ネオスチグミン)を用いる。
・感染性腸炎では、抗コリン薬の投与は菌の排出を遅延させる可能性があり注意が必要である。
・小児では、使用される鎮痙薬は限られており、プロパンテリンやブチルスコポラミンが使用される。
・相互作用:三級アミン合成抗コリン薬、四級アンモニウム塩合成抗コリン薬は三環系抗うつ薬、フェノチアジン系薬、MAO阻害薬、抗ヒスタミン薬で作用が増強。またジゴキシンの作用を増強させる。

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