2018年11月17日更新.3,351記事.5,760,133文字.

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褥瘡の勉強まとめ

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分類分類商品名一般名
褥瘡治療薬抗炎症薬アズノールアズレン
褥瘡治療薬抗菌薬テラジアパスタスルファジアジン
褥瘡治療薬抗菌薬ゲーベンスルファジアジン銀
褥瘡治療薬抗菌薬カデックス/ヨードコートヨウ素
褥瘡治療薬抗菌薬ユーパスタ/ソアナース白糖+ポピドンヨード
褥瘡治療薬蛋白分解酵素薬ブロメラインブロメライン
褥瘡治療薬蛋白分解酵素薬リフラップリゾチーム塩酸塩
褥瘡治療薬肉芽形成促進薬プロスタンディンアルプロスタジルアルファデクス
褥瘡治療薬肉芽形成促進薬フィブラストトラフェルミン
褥瘡治療薬皮膚保護薬亜鉛華軟膏/ボチシート亜鉛華軟膏
褥瘡治療薬皮膚保護薬亜鉛華単軟膏/サトウザルベ亜鉛華単軟膏
褥瘡治療薬イサロパンアルクロキサ
褥瘡治療薬オルセノントレチノイントコフェリル
褥瘡治療薬アクトシンブクラデシンナトリウム
褥瘡治療薬ソルコセリル幼牛血液抽出物

褥瘡

褥瘡は身体に加わった外力(圧力⁺ずれ力)が骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、停止させて発症する阻血性の皮膚潰瘍と定義されている。

そのため外力を十分除去できない活動性の低下した患者の骨突出部位である仙骨部、尾骨部、踵部、大転子部などに好発する。

発症部位は仙骨部でおよそ50%を占め、次に踵部、尾骨部、大転子部があげられている。

褥瘡の深さに関しては大学病院ではおよそ70%が真皮までの浅い褥瘡であるのに対して、療養病床を有する一般病院では浅い褥瘡は44%であり、残りは深い褥瘡であった。

これらのデータからは褥瘡が必ずしも正しく診断されているかは不明であるものの、より重度の褥瘡を有する患者ほど医療体制が十分でない施設ないしは在宅で加療されている現状が認識できる。

虚血性の軟部組織の壊死は実際に潰瘍化するまでに時間を要するため在院日数の短縮された急性期病院における褥瘡は減少したようにみえるが、在宅や施設などでは依然として大きな問題である。

褥瘡は重大な問題

褥瘡は合併症ですが、重症化すると敗血症を引き起こし、命を落とす人もいます。

また、褥瘡が原因でほかの病院に転院できない、施設に入れないといった患者さんが多いという現状もあります。

高齢化に伴い、在宅医療へのシフトや入院している患者さんの「持ち込み褥瘡」の増加などがみられ、褥瘡対策の重要性はますます高くなっています。

「床ずれ」と軽く考えられがちですが、基礎疾患と同じくらい重く考えるべきもの。

「たかが褥瘡、されど褥瘡」という認識をすべての医療者がもつ必要があります。

褥瘡の病期分類

褥瘡には皮膚壊死が真皮浅層に止まる浅い褥瘡と、皮下脂肪組織以下に及ぶ深い褥瘡とがあります。
浅い褥瘡は短期間で治癒も可能ですが、筋肉まで病変が及ぶような深い褥瘡では、治癒までに1年以上かかることもあります。

深い褥瘡が治ってゆく過程で、褥瘡の表面の色に変化があります。
通常は「黒色期」、「黄色期」、「赤色期」、「白色期」の順で推移します。

黒色期・・・壊死した組織の塊が黒く変色して付着した状態
黄色期・・・塊状の黒色壊死組織が取り除かれ、黄土色の深部壊死組織や不良肉芽が露出するようになる状態
赤色期・・・傷が治る過程で「肉芽組織」と呼ばれる血管に富む組織が成長してくる時期
白色期・・・肉芽組織が盛り上がり、周囲の皮膚との段差がなくなると周囲皮膚から「上皮化」と言って皮膚ができて傷が塞がる過程が始まる時期

DESIGN

褥瘡や熱傷などで局所的にできた傷のことを医学的に創と呼び、褥瘡の創の重症度を評価するツールとしては、日本褥瘡学会が開発したDESIGN(デザイン)が用いられている。
DESIGNとは、創の深さ(Depth)、浸出液(Exudate)、大きさ(Size)、炎症/感染(Inflammation/Infection)、肉芽組織(Granulation tissue)、壊死組織(Necrotic tissue)、の英語の頭文字を取ったもので、それぞれアルファベットで軽度のものを小文字、重度のものを大文字で表記するという工夫がなされており、それの経過を簡便に記録できる票になっている。

Pocket(ポケット)
ポケットが存在しない場合は何も書かず,存在する場合のみDESIGNの後に-Pと記述する。たとえば,深さ,大きさ,壊死組織が重度であり,他が軽度でポケットの存在する場合は,DeSigN-Pと表記する。

褥瘡治療薬

DESIGN分類と主な外用薬
E浸出液:カデックス軟膏、デブリサン、ユーパスタ
S大きさ:亜鉛華軟膏、アクトシン軟膏、アズノール軟膏、ソフレットゲル、ソルコセリル軟膏、フィブラストスプレー、プロスタンディン軟膏、リフラップ軟膏
I感染:イソジンゲル、カデックス軟膏、ゲーベンクリーム、フランセチン・T・パウダー、ヨードホルムガーゼ
G肉芽形成:アクトシン軟膏、オルセノン軟膏、ソルコセリル軟膏、ソフレット・ゲル、フィブラストスプレー、プロスタンディン軟膏、リフラップ軟膏
N壊死組織:カデックス軟膏、ゲーベンクリーム、デブリサン、フランセチン・T・パウダー、ブロメライン軟膏
Pポケット:オルセノン軟膏、フランセチン・T・パウダー、ユーパスタ

ドレッシング材

ドレッシング材は創を直接覆う治療剤料です。
創面保護や創面閉鎖・湿潤環境形成・滲出液吸収、感染抑制、疼痛緩和などの目的に応じ様々な種類のものが存在します。

外用剤の被覆

外用剤使用時の創傷被覆材には一般的にガーゼが使用されますが、創の乾燥や創への固着などに注意が必要となります。
・滲出液の少ない創にガーゼのみで被覆したり、軟膏を薄く塗布したガーゼで覆ったりすると、滲出液がガーゼに吸収されることで創が乾燥する。そのため、塗布量の増量やガーゼに生理食塩水を含ませる、水分含有量の高い乳剤性基剤(o/w)の外用剤に変更するなどの工夫が必要となる。また、基剤の特性に基づき湿潤環境を保持するために、ポリウレタンフィルム材により被覆する。
・滲出液が減少し、創縁が肥厚し表皮の巻き込みがみられる場合は、湿潤環境の保持のために外用剤の上から直接、またはガーゼの上からポリウレタンフィルム材で被覆する。
・ガーゼが創面に固着すると、交換時に再生した組織を傷つける可能性があり、治癒の遅延につながる。ガーゼの固着を防ぐには、外用剤を多めに使用したり、非固着性ガーゼを使用したりする。

ラップ療法

いわゆるラップ療法とは、「非医療機器の非粘着性プラスチックシート(例えば、食品包装用ラップなど)などを用い、体表面の創傷を被覆する処置を総称する」ものとして日本褥瘡学会用語集検討委員会で定義されています。
医療用として認可された創傷被覆材の継続使用が困難な在宅等の療養環境において使用することを考慮していよいとする、日本褥瘡学会の見解がしめされています。
注意として、すべての褥瘡に有効ではなく、滲出液の多い創や感染創への使用は慎むべきである。

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