2018年9月18日更新.3,327記事.5,528,363文字.

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統合失調症の舌下錠?

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シクレスト舌下錠

統合失調症の治療薬で「シクレスト舌下錠」という薬がある。
自分の知らない分野の新薬はわからないな。2016年5月に販売開始されていたようだ。

名前だけみると、抗精神病薬だとは思わなかった。

舌下錠といえばニトログリセリンを思い浮かべるが、舌下投与が指示されているということはそれだけバイオアベイラビリティが低いということ。
消化管吸収時の初回通過効果が大きい。
添付文書には以下の記載がみられる。

本剤の舌下投与後10分間は飲食を避けること[バイオアベイラビリティが低下する可能性がある]。

適用上の注意

以下の点について、患者等に指導すること。
1. ブリスターシートから取り出して舌下投与すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

2. ブリスターシートから取り出す際には、裏面のシートを剥がした後、錠剤をゆっくりつまんで取り出すこと。錠剤をつぶさないこと。欠けや割れが生じた場合は全量を舌下に入れること。[本剤は通常の錠剤に比べてやわらかいため、シートを剥がさずに押し出そうとしたり、シートを切ったり、破ったりすると割れることがある。]

3. 吸湿性であるため、使用直前に乾いた手でブリスターシートから取り出し、直ちに舌下に入れること。

4. 本剤は舌下の口腔粘膜より吸収されて効果を発現するため、飲み込まないこと。

5. 水なしで投与し、舌下投与後10分間は飲食を避けること。

水を飲んでもバイオアベイラビリティが低下する。

併用薬がある場合は、他の薬を飲んでから最後にシクレスト舌下錠を舌下投与する必要がある。
抗精神病薬を多剤服用している患者はもれなく一包化しているし、理解力の乏しい患者が飲み込む可能性も考慮すると、このような剤形の抗精神病薬のニーズがどの程度あるのかは疑問。

アセナピン(シクレスト)は、オランザピン(ジプレキサ)やクロザピン(クロザリル)、クエチアピン(セロクエル)と同じMARTA(多元受容体作用抗精神病薬)に属する。
セロトニン5-HT2受容体とドパミンD2受容体などに対する拮抗作用から、統合失調症の陽性症状(妄想、幻覚など)と陰性症状(情動の平板化、情動的引きこもりなど)の両方に効果を発揮する。

シクレストとほかのMARTAの禁忌項目を見比べると、特徴的なことが一つある。
シクレストは糖尿病患者に禁忌ではない。
ジプレキサやセロクエルは禁忌、クロザリルは原則禁忌。

シクレストは体重増加、耐糖能異常、高プロラクチン血症などを比較的起こしにくいとされています。
このような副作用の面では使いやすい薬剤かも知れません。

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