2018年4月7日土曜更新.3,291記事.5,383,893文字.

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DPP4阻害薬で膵炎になる?

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DPP4阻害薬と膵炎

DPP4阻害薬のスイニー錠(アナグリプチン)、トラゼンタ錠(リナグリプチン)、テネリア錠(テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物)、またテネリアを含むカナリア配合錠(テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物/カナグリフロジン水和物)の重大な副作用に「急性膵炎」が追記されました。

過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数)として、スイニー錠2例(死亡なし)、トラゼンタ錠4例(死亡例なし)、テネリア錠5例(死亡例なし)、カナリア配合錠0例となっています。
カナリアは0例ですが、テネリアを含むので改訂指示されています。

ほかのDPP4阻害薬、グラクティブ/ジャヌビア(シタグリプチン)、エクア(ビルダグリプチン)、ネシーナ(アログリプチン)、オングリザ(サキサグリプチン)、ザファテック(トレラグリプチン)、マリゼブ(オマリグリプチン)にはすでに重大な副作用に急性膵炎は記載されています。

そもそも糖尿病の人は膵炎やすい臓がんを発症しやすいといわれており、DPP4阻害薬がそのリスクをさらに押し上げているのかどうかは不明な状態。
膵炎とDPP4阻害薬の使用に因果関係はないという報告もある。

DPP4阻害薬もまだまだ新しい類の薬なので、今後さらに長期投与が増えていって因果関係がわかっていくのでしょう。
それを待ってては遅いということで添付文書的には早めの注意喚起が求められます。

インクレチンと膵臓

インクレチンの働きについておさらい。

インクレチンは小腸から分泌されている消化管ホルモンです。
インクレチンにはグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(glucose-dependent insulinotropic polypeptide:GIP)とグルカゴン様ペプチド-1 (glucagon-like peptide-1:GLP-1)があります。

インクレチンは食物を感知して膵臓のインスリン分泌を高め、血糖を上げるホルモン「グルカゴン」の分泌を抑えます。
インクレチンは、血糖値が上昇した時のみに作用します。血糖値が 80mg/dl以下になるとその作用をストップします。そのため、原則的に低血糖は起きません。

通常、インクレチンは、消化管、腎臓、前立腺などの上皮細胞や内皮細胞、リンパ球などの細胞膜に発現し、可溶性タンパク質として血中にも存在しているジペプチジルペプチダーゼ-4(dipeptidyl peptidase-4:DPP-4)によって速やかに不活性化されるため、インクレチンの血中半減期は数分とごく短いのです。

じゃあ、このDPP4を働かなくさせればインクレチンの働きが長く保たれる、ということでDPP4阻害薬が開発されました。

インクレチンが膵臓からのホルモン分泌をコントロールしていると考えれば、本当は短時間でなくなるはずのホルモンが長時間居座り続け、膵臓がオーバーヒート(膵炎)を起こす可能性は想像はできます。

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