2018年12月15日更新.3,343記事.5,774,031文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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COPDの勉強まとめ

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分類商品名(デバイス)一般名
抗コリン薬アトロベント(エロゾル)イプラトロピウム臭化物水和物
抗コリン薬スピリーバ(レスピマット、吸入用カプセル)チオトロピウム臭化物水和物
抗コリン薬テルシガン(エロゾル)オキシトロピウム臭化物
抗コリン薬シーブリ(吸入用カプセル)グリコピロニウム臭化物
抗コリン薬エクリラ(ジェヌエア)アクリジニウム臭化物
抗コリン薬エンクラッセ(エリプタ)ウメクリジニウム臭化物
抗コリン薬+β2刺激薬ウルティブロ(吸入用カプセル)グリコピロニウム臭化物/インダカテロールマレイン酸塩
抗コリン薬+β2刺激薬アノーロ(エリプタ)ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩
抗コリン薬+β2刺激薬スピオルト(レスピマット)チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩
ステロイドキュバール(エアゾール)ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
ステロイドフルタイド(エアゾール、ロタディスク、ディスカス)フルチカゾンプロピオン酸エステル
ステロイドアニュイティ(エリプタ)フルチカゾンフランカルボン酸エステル
ステロイドパルミコート(タービュヘイラー、吸入液)ブデソニド
ステロイドオルベスコ(インヘラー)シクレソニド
ステロイドアズマネックス(ツイストヘラー)モメタゾンフランカルボン酸エステル
β2刺激薬セレベント(ロタディスク、ディスカス)サルメテロールキシナホ酸塩
β2刺激薬オンブレス(吸入用カプセル)インダカテロールマレイン酸塩
β2刺激薬オーキシス(タービュヘイラー)ホルモテロールフマル酸塩水和物
ステロイド+β2刺激薬アドエア(ディスカス、エアゾール)サルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステル
ステロイド+β2刺激薬シムビコート(タービュヘイラー)ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物
ステロイド+β2刺激薬フルティフォーム(エアゾール)フルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロールフマル酸塩水和物
ステロイド+β2刺激薬レルベア(エリプタ)ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステル
慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患です。
呼吸機能検査で正常に復すことのない気流閉塞を示し、通常は進行性です。
臨床的には労作時の呼吸困難 (息切れ) や慢性の咳、痰などを特徴としますが、これらの症状に乏しい場合もあります。

慢性気管支炎(末梢気道病変)と肺気腫(気腫性病変)のうち、気流閉塞を伴うものをCOPDといいます。
COPDの気流閉塞は、末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に作用して起こるため、その病型として気腫性病変が優位な気腫型COPD、末梢気道病変が優位な非気腫型COPDがあります。

長期にわたる有害な粉塵やガスの吸入暴露(ほとんどは喫煙暴露)によって肺に異常な炎症が惹起され、肺胞構造の破壊による気腫病変と、気管支、とくに細気管支の壁肥厚および粘液過剰産生による気道病変を併せもつ疾患で、40歳以上の喫煙歴を有する高齢者に多くみられる。

気管支拡張薬および吸入ステロイド(ICS)を含む治療においても完全には正常化しない不可逆性の気流閉塞(閉塞性換気障害)を特徴とする。

気流閉塞は年単位で徐々に進行し、労作性呼吸困難をきたし、日常生活動作が厳しく制限される。
また、病期の進行とともに低酸素血症をきたし呼吸不全に至る。
炎症は肺だけに留まらず、全身性にも影響を及ぼし、栄養障害、骨格筋の機能障害、心血管病、骨粗鬆症など多くの併存症を引き起こす。

喫煙者の約20%弱に生じ、有病率は40歳以上の日本人の8.6%、約540万人が罹患しているが、そのうち4%しか診断および治療を受けていない。

【慢性気管支炎(末梢気道病変)】
喀痰症状が年に3か月以上あり、それが2年以上連続して認められていることが基本条件となる。
※この症状が他の肺疾患や心疾患に起因する場合を除く。
【肺気腫(気腫性病変)】
終末細気管支より末梢の気腔が肺胞壁の破壊を伴いながら異常に拡大しており、明らかな線維化は認められない病変を指す。

COPDは長年の喫煙習慣による肺の生活習慣病であり、慢性の咳と痰、労作時呼吸困難を特徴とします。
40歳以上の日本人のCOPD有病率は8.6%と推測されているが、その大部分が未診断、未治療の潜在患者である。
その理由としては、早期診断の難しさがあげられる。

禁煙がすべての治療に優先されます。
中等症以上では、第一選択薬として長時間作用性抗コリン薬または長時間作用性β2刺激薬を投与し、重症度に応じて段階的に治療法を増強する。
吸入ステロイド薬は、おおむねⅢ期以上の気流閉塞を有し、増悪を繰り返す症例において併用する。喘息合併例では、治療開始時から投与する。

COPDの症状

【呼吸困難】
・呼吸困難は最も特徴的な症状の1つであり、最初は労作時にみられる。症状は持続的で進行性があり、呼吸機能が悪化すると日常生活動作時や安静時にも呼吸困難が生じ、QOLが低下する原因となる。

【慢性の咳】
・咳は最初のうちは間欠的であるが、のちに毎日みられるようになり、1日中持続することもある。一方で、気流閉塞が顕著でも咳がない場合もある。一般的には喀痰を伴うことが多いが、乾性咳のこともある。
・激しい咳は咳嗽失神や肋骨の骨折につながることもある。

【慢性の喀痰】
・患者によっては痰を喀出せずに飲み込んでいることもあり、喀痰症状を正確に評価することは難しい。
・大量の喀痰がある場合は、気管支拡張症が疑われる。また、膿性の喀痰は、白血球の存在を反映しており、気道感染や増悪の徴候の可能性がある。

【喘鳴】
・喘鳴は、日や時間によって変動する。一般に、重症や最重症のCOPD患者でみられることが多く、喘息や心不全との鑑別を必要とする。聴診時には、断続性ラ音でやや低調なcoarse cracklesや連続性ラ音などの副雑音を認める。

【樽状胸郭、胸郭の拡張】
・COPDによる肺の過膨張によって、肋骨が水平になる樽状胸郭(barrel chest)となり、腹部が突出する。 また、気管の短縮を認める場合もある。

【呼吸の異常】
・浅く速い呼吸は呼気が延長し、促迫する。呼吸音(とくに肺胞呼吸音)が減弱することもある。
・口すぼめ呼吸(気道内圧を高めることで呼気時の気流閉塞を緩和する)が自然にみられる場合がある。
・呼吸補助筋(胸鎖乳突筋、斜角筋など)の肥厚や、呼気時の肋骨や鎖骨上窩の陥入がみられる。
・最重症例ではHoover徴候(呼気時に下部胸郭が拡張せず、逆に陥凹する)がみられる。

【チアノーゼ】
・チアノーゼは口唇、顔面、指尖などで観察されるが、低酸素血症以外にも静脈うっ血、心拍出量減少、末梢血管収縮などでみられる。

【呼吸不全の徴候、右心不全の徴候】
・COPDでは早期から肺血管病変が認められ、気流閉塞・低酸素血症が進行すると肺高血圧症となる。持続的な肺高血圧症は、右室の肥大と拡張をもたらし肺性心と呼ばれる状態となる。
・頸静脈の怒張、肝腫大、下腿浮腫などがあれば、右心不全や呼吸不全を疑う。

【ばち指】
・ばち指がみられる場合は、肺癌の合併にも注意が必要となる。

COPDの薬物療法

COPDの薬物療法は、患者の症状およびQOLの改善、運動耐容能と身体活動性の向上および維持、増悪の予防に有用であるため、積極的に行うべきとされています。

気管支拡張薬

薬物療法の中心を担う気管支拡張薬は、気管支平滑筋の弛緩作用によって気道抵抗の低下や肺の過膨張を改善させ、運動耐容能を向上させます。
気管支拡張薬には抗コリン薬、β2刺激薬、メチルキサンチンがあり、それぞれ作用機序が異なるため、単剤の使用で治療効果が不十分な場合には、段階的に多剤を併用することが推奨されています。
また、効果と副作用のバランスを考慮して、吸入薬の使用が望ましいとされています。

【短時間作用性抗コリン薬 (SAMA:short acting muscarinic antagonist)・β2刺激薬 (SABA:short acting β2 agonist)】
・COPDに対する最大の気管支拡張反応は抗コリン薬が優れるが、効果発現までの時間はβ2刺激薬の方が速い。
・短時間作用性気管支拡張薬は、運動時の呼吸困難の予防に有効と考えられているほか、重症患者では入浴などの日常生活の呼吸困難の予防に有用とされている。

【長時間作用性抗コリン薬(LAMA:long acting muscarinic antagonist)】
・1日1回の吸入で、気管支拡張効果が24時間持続する。
・抗コリン薬は体内への吸収率が低いため、常用量であれば全身性の副作用はほとんど問題にならないが、閉塞隅角緑内障の患者では禁忌となる。
また、前立腺肥大症の患者では稀に排尿困難症状を悪化させる副作用があるが、薬剤を中止すればすみやかに症状改善が得られる。

【長時間作用性β2刺激薬(LABA:long acting β2 agonist)】
・1日1~2回の吸入を行う。また、貼付薬は、吸入薬に比べて気管支拡張効果は劣るものの、夜間の症状改善やQOL改善に優れている可能性がある。
・最大効果が得られるまでに1~2時間を要する(吸入ホルモテロールおよびインダカテロール以外)。
・長期に使用しても、耐性の出現はほとんどなく効果は減弱しない。
・副作用には、頻脈、手指の振戦、PaO2の軽度低下などがあるが、その頻度はいずれも経口薬より少なく、常用量であれば問題にならない。
・貼付薬で、皮膚のかゆみやかぶれが認められる場合には、貼付部位の変更が必要とされる。

【メチルキサンチン】
・経口の徐放性テオフィリンを用いる。FEV1の改善効果は吸入気管支拡張薬に比べて劣るものの、末梢気道の拡張作用や呼吸筋力の増強作用、COPDの増悪抑制作用などが報告されている。
・近年、低用量テオフィリン(5μg/mL程度)による気道の抗炎症作用が注目されており、COPD患者の気道炎症や酸化ストレスを低下させることが示唆されている。

吸入ステロイド薬

吸入ステロイド薬は、概ね中等度以上の気流閉塞を有するCOPD患者の自覚症状や呼吸機能、QOLを改善し、増悪の頻度を低下させます。
また、オーバーラップ症候群の患者に対しては、COPDの重症度に関わらず積極的な適応となります。

長時間作用性β2刺激薬 / 吸入ステロイド薬配合薬

配合薬は、患者にとって利便性が高く、アドヒアランスを向上させ、それぞれ単剤で使用するよりも呼吸機能や運動耐容能、呼吸困難を改善させます。

喀痰調整薬

喀痰調整薬は、呼吸機能、呼吸困難およびQOLに対する改善効果はないとする報告も多いが、COPDの増悪頻度と増悪期間を減少させることが示されています。

禁煙

禁煙は、COPDの発症リスクを減少させ、進行を抑制する最も効果的で経済的な方法です。
COPD発症の予防し、進行を遅らせるためには、最大の危険因子であるタバコ煙の曝露からの回避(禁煙)が最も重要とされています。

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職業:管理薬剤師
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