2018年2月4日日曜更新.3,305記事.5,272,740文字.

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エンシュアでセレン欠乏症?

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セレン欠乏症

通常、健康な人がセレン欠乏症に陥る可能性はほとんどないが、消化器バイパス手術を受けて高カロリー輸液を受けている重篤な腸機能免疫不全の患者や90歳以上の高齢者でセレン欠乏症は起こり得るという。

エンシュアなどの栄養剤を長期に服用している場合、セレン欠乏症に陥る可能性がある。
エンシュアの添付文書の「重要な基本的注意」には。

ビタミン,電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので,必要に応じて補給すること.長期投与中にセレン欠乏症(心機能の低下,爪白色変化,筋力低下等)があらわれたとの報告がある.

という記載がみられる。

エンシュア・リキッド、エンシュア・Hにはセレンは含有されておらず、エネーボにはセレンが入っている。
ラコールにもセレンが入っているが、量的に少ない?(5μg/200mL エネーボは20μg/250mL)ためか、エンシュアと同様の注意事項が書かれている。

ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること。類薬の長期投与中にセレン欠乏症(心機能の低下、爪白色変化、筋力低下等)があらわれたとの報告がある。

セレンは、甲状腺ホルモンであるチロキシン(T4)をより活性型であるトリヨードチロニン(T3)に変換するために必要であり、セレンの欠乏症は過労、精神の減退、甲状腺腫、クレチン症、再発性の流産を繰り返す不育症を含めた甲状腺機能低下の症状を引き起こすことがあるという。

市販のメイバランスにもセレンは含まれており、そういった意味ではエンシュアよりも優れた栄養補助食品である。

栄養剤とビタミン

入院や在宅治療の中で、経腸栄養、中心静脈栄養が広く普及し、食事以外の形で栄養摂取が勧められている方に対しても、
ビタミンやミネラルへの注意が必要です。

以前、中心静脈からの高カロリー輸液療法中に、重篤なアシドーシスで死亡する例が相次いで報告され、ビタミンB1不足が問題となったことがありました。

同様に、消化管手術後やつわりに対する高カロリー輸液療法で、ビタミンB1不足からウェルニッケ脳症が発症し、医療訴訟となった事例もあり、医療者側がビタミンB1製剤の投与を怠ったとして敗訴の判決が下されています。

医療費抑制の観点から、健康保険でのビタミン製剤の使用には制限があり、経口摂取が可能で給食料を算定している場合は、原則としてビタミンB群、Cの注射製剤は健康保険の適応とならないという規定があります。

経腸栄養剤については、ビタミンやミネラルがある程度添加されており、高カロリー輸液のようなビタミンの欠乏症は問題とされることは少ないようです。

しかし、今度は長期投与中にセレン欠乏による心機能の低下、爪の白色変化、筋力低下などの症状が現れたと報告されたことが添付文書に記載され、微量なミネラルの不足に対する注意の必要性も浮き彫りになっています。

参考書籍:調剤と情報2007.10


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