2018年4月6日金曜更新.3,269記事.5,319,067文字.

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BRONJじゃなくてARONJ?

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BRONJとDRONJとARONJ

ビスホスホネートを使っている患者で、抜歯するときに中止するという話は薬剤師であれば誰もが知っている話。

で、中止しないこともあるという話も。
2016年に顎骨壊死検討委員会による「骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理: 顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016
」が発表され、抜歯前にビスホスホネートを中止しても、顎骨壊死のリスクが減るというエビデンスは見いだせず、現在では中止しないという選択が取られることが多いという。

しかしビスホスホネートの添付文書上では、以下のように書かれており、

ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。

薬剤師的には、歯科医の判断を仰ぐよう患者には伝えておくべき。

ビスホスホネートによる顎骨壊死(がっこつえし)のことを、ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死(Bisphosphonate-related osteonecrosis of the jaw;BRONJ、ブロンジェイ)と言います。

しかし、骨粗鬆症治療薬で顎骨壊死を起こすのは、ビスホスホネートだけではありません。
プラリア(デノスマブ)の副作用にも顎骨壊死があり、ビスホスホネートと同様の注意事項が添付文書に書かれています。
つまりこれは、ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死ではなく、デノスマブ関連顎骨壊死(denosumab-related ONJ、DRONJ、ドロンジェイ)なのです。
薬剤によって名称を変えるのも面倒だということで、これらの薬剤関連顎骨壊死をまとめて、骨吸収阻害薬関連骨壊死(Anti-resorptive agents-related ONJ、ARONJ、アロンジェイ)と呼ぶようになりました。

骨粗鬆症治療薬は骨吸収抑制薬と骨形成促進薬に大別される。
骨吸収抑制薬には、ビスホスホネートやデノスマブ、SERMが含まれる。骨吸収阻害薬関連骨壊死といっても、SERM(エビスタ、ビビアント)で顎骨壊死副作用を起こすことは無い。
骨形成促進薬には、活性型ビタミンD3製剤やビタミンK2製剤、カルシウム、副甲状腺ホルモン製剤(フォルテオ)が含まれるが、もちろんこれらでも顎骨壊死の副作用報告はない。

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