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ノベルジンは食後?食前?
公開. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約2分8秒で読めます.
4,287 ビュー. カテゴリ:ノベルジンの用法
亜鉛欠乏症の適応追加となったノベルジンの用法について。
今まではウィルソン病の適応しか無く、ノベルジンのウィルソン病に対する用法は、以下のようになっていた。
・ウィルソン病(肝レンズ核変性症)
成人には、亜鉛として、通常1回50mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日250mg(1回50mgを1日5回投与)とする。
6歳以上の小児には、亜鉛として、通常1回25mgを1日3回経口投与する。
1歳以上6歳未満の小児には、亜鉛として、通常1回25mgを1日2回経口投与する。
なお、いずれの場合も、食前1時間以上又は食後2時間以上あけて投与すること。
空腹時投与です。
「食物と同時摂取した場合、本剤の効果が遅延するおそれがある。」ためとのこと。
ウィルソン病(肝レンズ核変性症ともよばれる)は、常染色体劣性遺伝の先天性銅過剰症です。肝臓での銅代謝障害により、取り込まれた銅が胆汁酸に排泄されず肝機能障害を起こし、さらに銅が全身の臓器に沈着して精神・神経症状や腎機能障害などを引き起こします。早期に診断され適切な治療を続けた場合は予後良好ですが、未治療や治療中断では致死的です。
しかし、ノベルジンの低亜鉛血症に対する用法は以下のようになっている。
・低亜鉛血症
通常、成人及び体重30kg以上の小児では、亜鉛として、1回25~50mgを開始用量とし1日2回経口投与する。通常、体重30kg未満の小児では、亜鉛として、1回25mgを開始用量とし1日1回経口投与する。血清亜鉛濃度や患者の状態により適宜増減するが、最大投与量は成人及び体重30kg以上の小児では1日150mg(1回50mgを1日3回)、体重30kg未満の小児では75mg(1回25mgを1日3回)とする。
なお、いずれの場合も、食後に投与すること。
食後でよい。
同じ薬で適応症によって用法が異なることは珍しくないが、空腹時と食後で分かれているのは珍しい。
酢酸亜鉛を投与すると小腸粘膜細胞にメタロチオネインが誘導されます。食事由来の銅はこのメタロチオネインと強く結合するため、銅の吸収が阻害されますが、酢酸亜鉛を食事と一緒に服用した場合、この作用が遅延する可能性があります。そんとあめ、ウィルソン病に対してはより効果を期待して、「食前1時間以上または食後2時間以上空けて経口投与」と用法が厳密に設定されているのです。一方、酢酸亜鉛を低亜鉛血症に用いる場合は、悪心・嘔吐など消化器系の副作用を回避するため「食後投与」となっています。
低亜鉛血症に対して、1日の服用回数は1日2回、多くて3回であるが、
ウィルソン病に対しては1日3回、多くて5回と、服用頻度が多い。
それだけ、短時間に亜鉛を補給する必要のある病態であるということで、薬効が遅延することが予後の悪化につながりかねないということです。
1日5回投与で空腹時投与って、、、食事の時間を決めていないと、かなりタイミングが難しいだろう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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