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風邪を治す薬など無い
公開. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約2分0秒で読めます.
998 ビュー. カテゴリ:風邪に効く薬
かぜに効果のある薬が作れたらノーベル賞とよく言われます。
これは、かぜの原因であるウイルスに効果のある薬という意味です。
かぜを引き起こすウイルスはたくさんあり、それらに共通して効果のある抗ウイルス薬は現時点ではありません。
よって、本当の意味で効果のあるかぜ薬は現時点ではありません。
つまり、現在飲んでいる総合感冒薬はあくまでも対症療法薬ですので、咳・鼻水・咽頭痛・発熱などのエビデンスはなく、あくまでも症状緩和の目的であることを明確に伝えましょう。
症状緩和も重要ですが、本人が欲していないのに飲まなくてはいけないと思って飲み続け、副作用が起こることは避けたいところです。
総合感冒薬にも重篤な薬疹を引き起こす可能性がありますし、抗ヒスタミン薬の影響で高齢者では尿閉を来したり、過度な眠気、口渇を引き起こしたり、さらに倦怠感が強くなることがあります。
総合感冒薬
解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤などを含み、熱、痛み、鼻水など、風邪の諸症状に効く。 対症療法薬であり、鎮痛・解熱薬に加えて抗ヒスタミン薬、カフェイン、鎮咳去痰薬、ビタミンなど配合している。
合剤の多くはカフェインを含むが、これは鎮痛効果増強、頭痛軽減、気分高揚作用を有するためである。
漢方製剤との配合薬であるアスゲンは一般感冒、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患などに用いられる。
小児科で風邪の患者さんに解熱剤の坐薬しか処方されないケースはよくあります。
一昔前だと抗生物質も処方されることも多かったです。
内科なら今でも咳止めや炎症止めなど色々処方されたり、解熱剤の内服を頓服ではなく1日3回の用法で処方されたりと手厚くケアしてくれます。
それに比べて、坐薬だけだとお母さんも不安になるのか、「風邪薬は出てないんですか?」と聞かれることがあります。
「風邪薬って何ですか?風邪を治す薬があるんですか?」なんて屁理屈は置いておいて、よく処方される風邪薬のPL顆粒だと、解熱鎮痛剤+抗ヒスタミン薬+カフェインです。
抗ヒスタミン薬は鼻水が出てなければいりません。カフェインは眠気防止のためなので別にいりません。
そうなると解熱鎮痛剤だけになりますが、解熱鎮痛剤を定期的に飲ませる必要はありません。
なので、風邪薬はいりません。だから処方されてません。
などと細かく窓口で説明するヒマもないので、「解熱剤だけですね。何か他のお薬を出すとか先生から聞いてますか?」的なことを聞いて必要であれば疑義照会という手順です。
アデノウイルスやライノウイルスの迅速診断キットが出来て、それらのウイルスをやっつける薬が出来たら、風邪の患者さんに処方されるのでしょうか。そうなったら堂々と「風邪薬です」と言えますね。
参考書籍:調剤と情報2013.2
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