更新日:2017年10月20日.全記事数:3,169件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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症状が無くてもステロイドは塗り続けたほうが良い?


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アトピー治療にはプロアクティブ療法が良い?

最近では病変のない皮膚にも弱いランクのステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を塗布して再燃を予防する「プロアクティブ療法」の有用性が注目されている。
プロアクティブって聞くと、ニキビ予防のあの商品を思い浮かべますが、アクティブは動作中とか活動中といった意で、その前(プロ)がプロ・アクティブ、後(リ)がリ・アクティブ。

アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法は、湿疹病変が良くなっても、すぐにステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を止めずに、週に1、2回、それらの外用薬を再燃しやすい部位につける方法です。

保湿だけでも十分な気もしますが、見た目がキレイでも、炎症は続いているという考え方です。

ステロイドは良くなったらすぐに止める?

ステロイド外用薬の中止時期は、炎症症状の鎮静後ということになりますが、この認識において、患者さんと医師との間にズレがあります。

一般に患者さんはステロイドに対する不安があるため、赤みやかゆみが取れるとすぐに外用を止めてしまい、中止時期が早すぎることが多いようです。

医師や薬剤師から「良くなったらやめましょう」と言われることも一因のようですが、手のひらで触れてしっとり感を感じるまでは、赤みがなくても炎症があることを説明し、寛解導入されるまで外用を続けるよう指導します。

プロアクティブ療法とリアクティブ療法

ステロイド外用薬の副作用を避ける使い方のポイントは、まず適切な強さのステロイド外用薬を適量塗ることである。
炎症が治まれば連日塗布の必要がなくなるので隔日塗布とし、その間は保湿剤を使用する。

症状再燃がなければ、徐々に塗布間隔を広げる。
ステロイド外用薬は2〜3日で分解されるため、2〜3日おきの使用であれば副作用は避けられる。

このように症状がなくても間欠的なステロイド外用薬の塗布を続ける方法をプロアクティブ療法、皮疹が消失したら保湿剤のみにし、再燃時にのみステロイド外用薬を塗布する方法をリアクティブ療法という。

軽症の場合はリアクティブ療法でも症状が抑えられるが、重症の場合は症状が再燃しやすいため、プロアクティブ療法で定期的にステロイド外用薬を使用したほうが予後がよい。

プロアクティブ療法

近年の国内外のガイドラインでは、アトピー性皮膚炎の寛解導入後、保湿薬とともにステロイド外用薬などを一定の間隔で塗布するプロアクティブ療法が推奨されている。
一般にアトピー性皮膚炎治療では、急性期に抗炎症薬で炎症を抑え、寛解導入後は保湿薬の塗布を継続することが多いが、炎症が残存し、保湿薬だけでは寛解を維持し得ない場合がある。
そこで再び抗炎症薬を塗布するリアクティブ療法を実施することになるが、症状の悪化から再塗布までに1週間前後かかると考えられている。

一方、プロアクティブ療法は目に見えない炎症を抑えることで再燃を予防する。
システマティックレビューの結果、同療法の炎症再燃リスクは保湿薬のみの場合の0.4倍程度であり、また保湿薬とともに塗布することでステロイド外用薬の副作用を抑制でき、安全性の面からも理に適った治療法であるといえる。
プロアクティブ療法には食物アレルギーを改善する可能性もあり、アトピー性皮膚炎の寛解維持に有用な療法と考える。

参考書籍;日経DI2015.5、日経DI2012.12

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