更新日:2017年8月26日.全記事数:3,190件.

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トランス脂肪酸は体に悪い?


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飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

飽和脂肪酸はバターやラードなどの動物性油脂が主ですが、ココナッツオイルなどの植物性油脂にも含まれています。

飽和脂肪酸も体に不要な脂肪酸というわけではない。
飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の望ましい摂取割合は、おおむね3:4:3であり、ω-6脂肪酸とω-3脂肪酸の比は、健康人では4:1程度と言われている。
体に蓄えておく脂肪としてのエネルギーも重要です。

脂肪酸の中に二重結合など、不飽和結合が多く含まれていた方が、不安定で、融点が低く、常温で液体。
飽和結合ばかりだと、安定して、融点が高く常温で固体。体内で物質的に安定してしまうと、脂肪が落ちにくいということになるので、脂肪としては不安定なほうが良いわけだ。
トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸だけれども、二重結合の同じ側に水素があるシス結合のほうが不安定で、トランス結合のほうが安定しており体に悪い。

トランス脂肪酸

・マーガリンなどの加工油脂に含まれる脂肪酸の一種。
・油を加熱する過程や固形化処理の際に人工的に生成される。
・大量に摂取すると、血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすといわれ、動脈硬化など心臓疾患のリスクを高めるとの指摘がある。
・食品安全委員会によると、1日当たりの平均摂取量は日本では約1・6グラム。

脂質に含まれる脂肪酸は、二重結合の有無によって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。不飽和脂肪酸のうち、水素の結び付き方が互い違いになっているものを「トランス型」と呼び、この型を持っている多種類の脂肪酸を総称して「トランス脂肪酸」と呼んでいます。

反すう動物(牛や羊など)の肉や乳などにも含まれますが、多くは植物油を加工する工程でできます。特に、植物油に水素を添加して硬化(固形化)し、マーガリンやショートニングなどにする時に比較的多くできます。これらはパンや菓子等の加工食品に多く使われるため、摂取量の増加につながります。

トランス脂肪酸は悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールを増やし善玉コレステロールとされるHDLコレステロールを減らして、心血管系疾患の一つ、冠動脈疾患のリスクを上げると指摘されています。欧米では冠動脈疾患の患者が多く、トランス脂肪酸も注目を集めました。世界保健機関(WHO)は2003年、「トランス脂肪酸量は総エネルギー摂取量の1%未満とすべき」と勧告しています。表示を義務化した国もあり特に、06年に米国ニューヨーク市がレストランでのトランス脂肪酸禁止を通告して、日本でも広く知られるようになりました。

トランス型の脂肪酸とは、脂肪酸の二重結合部分のHが二重結合に対し、反対側にある脂肪酸ということです。

この二重結合を中心とした立体配置の違いが、脂肪酸全体の立体構造を変えています。

例えば、オリーブ油に含まれるオレイン酸は、シス型の1価不飽和脂肪酸であり、二重結合部分で折れ曲がった構造になっています。

しかし、同じ化学式を持つエライジン酸は二重結合部分がトランス型のため、全体的に直線的な構造になっています。

この立体構造の違いは、分子間の結びつきを変え、トランス型のエライジン酸はシス型のオレイン酸よりも融点が高くなるなど、物理的・化学的性質の違いとなって現れてきます。

シスとトランス

トランス型とは炭素-炭素間二重結合の両側の立体配置の相違による幾何異性を区別する語であり、XYC=CZW型化合物において、注目する置換基(X、Z)が二重結合の反対側にある場合を指す。
シス型とは注目する置換基が二重結合の同じ側にある場合を指す。

トランス脂肪酸が健康を害する

トランス脂肪酸を多く取りすぎると、血液中のLDLコレステロールを増加、HDLコレステロールを低下させ、心筋梗塞などの冠動脈疾患を引き起こすといわれています。

マーガリンとトランス脂肪酸

トランス脂肪酸を含んでいるものの例としてマーガリンが挙げられます。

マーガリンの原材料の中に「食用植物油脂」と「食用精製加工油脂」というものがあります。

マーガリンの原材料である植物油脂は、不飽和脂肪酸が多く、融点が低いため液体です。

これを、マーガリンのような固体にするためには、食用精製加工油脂が必要で、この中に水素を添加した硬化油脂が含まれています。

トランス型の脂肪酸は、硬化油脂を製造する過程で生成されます。

そのため、マーガリンにはトランス脂肪酸が多く含まれます。

トランス脂肪酸を含む食品

トランス脂肪酸を含んでいるのは、マーガリンやショートニングだけではありません。

これらを使用した市販のパン類やスナック菓子のほかに、コーヒー用ポーションミルク、インスタント食品、大豆油やコーン油などの市販の植物油脂(オリーブ油、紅花油、ごま油は少ない)などがあります。

私たちの食生活の中で普通に食しているものばかりです。

トランス脂肪酸の摂取量

世界保健機構(WHO)は、トランス脂肪酸の摂取量を1日当たりの摂取エネルギー比1%未満にするよう勧告しています。

内閣府食品安全委員会のまとめによると、日本人のトランス脂肪酸平均摂取量は1.56g(摂取エネルギー比0.7%)と、米国の平均摂取量5.8g(摂取エネルギー比2.6%)に比べ少ないといえます。

しかし、食の欧米化により油脂全体の摂取量は増加傾向を示していることから、トランス脂肪酸の摂取量も増えていると考えられます。

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