更新日:2017年5月10日.全記事数:3,190件.

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眼底出血に抗ガン剤のアバスチンが効く?


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眼底出血の原因は?

眼底出血に注射を使用するという患者がいました。

止血剤?かと思いましたが、詳しくは不明。
そもそも眼底出血の原因は何なのか?

眼底出血の原因となる眼病には以下のようなものがある。

①糖尿病性網膜症
眼底出血の原因として一番多いのが、この糖尿病性網膜症。
網膜の血管の流れが悪くなったり、血管がつまったり変形したりしてしまいます。
それらの血管の代わりに新しい血管が出来ますが、新しい血管はできたばかりで、柔らかく、少しの刺激で出血してしまいます。

②高血圧性網膜症
高血圧かどうかを判断するときに、眼底検査を行うことがあるという。

③網膜静脈閉塞症
網膜にある静脈が詰まって血液が流れなくなってしまう病気です。
ことによって、眼底出血が引き起こされる。

④加齢性黄斑変性症
加齢にともなって黄斑部に異常をきたす病気。
黄斑部に出血を起こすことがある。

抗VEGF療法

上記の眼底出血を引き起こす病気に、抗VEGF療法(抗血管新生療法)が行われる。

これらの疾患はいずれも眼底に新しい血管(新生血管)が作られることが関与しています。
新生血管は新生血管を引き起こす因子(VEGF)が血管内皮にあるVEGF受容体に結合することによって起こります。

VEGFとは、vascular endothelial growth factor (血管内皮増殖因子)の略。

抗VEGF薬には、眼科領域の、ルセンティス(ラニビズマブ)、アイリーア(アフリベルセプト)、マクジェン(ペガプタニブ)がある。
抗VEGF薬は、VEGFと血管内皮のVEGF受容体間の結合を遮断することによって新生血管を縮小させます。

なぜアバスチンを使うのか?

眼科領域以外でも抗VEGF薬があり、それがアバスチン(ベバシズマブ)である。
適応症は、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、卵巣癌、進行又は再発の子宮頸癌、手術不能又は再発乳癌、悪性神経膠腫」という各種ガンであり、眼科領域で使用すると適応外使用で自費となる。

アバスチンの使用上の注意には、

適応外疾患に対する硝子体内(用法・用量外)投与例において、網膜剥離、眼内炎、硝子体出血、網膜出血等の眼障害があらわれることが報告されている。本剤を硝子体内投与するにあたって、本剤の不適切な無菌操作下での小分けにより、重篤な眼感染症があらわれ、失明に至った例が海外で報告されている。また、海外において、心筋梗塞、脳卒中等があらわれることが報告されている。

と書かれており、眼科領域における使用には十分注意するよう念を押されている。

ルセンティスの薬価は¥157776/0.05mL
アバスチンの薬価は¥41738/4mL

アバスチンめちゃくちゃ安い。

つまり、ルセンティスを保険使って使うよりも、アバスチンを自費で負担して使ったほうが安いということになるのだ。

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