2018年9月22日更新.3,329記事.5,605,527文字.

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ベルソムラ錠10mgは誰に使う?

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ベルソムラ錠10mg

いつの間にかベルソムラ錠に10mgという規格が追加されていた。

ベルソムラは15mgと20mgという規格があったが、これに10mgが追加された形だ。

通常成人には20mgが使われる。
高齢者には15mgが使われる。
高齢者では、非高齢者と比べて血中濃度が高くなる傾向があるためだ。

ベルソムラの用法用量は、
「通常、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与する。 」
となっている。

じゃあ10mgは誰に使うの?
用法及び用量に関連する使用上の注意に以下のように書かれている。

CYP3Aを阻害する薬剤 (ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾール等) との併用により、スボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠、疲労、入眠時麻痺、睡眠時随伴症、夢遊症等の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤を併用する場合は1日1回10mgへの減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

CYP3Aを阻害する薬剤、ジルチアゼム(ヘルベッサー)、ベラパミル(ワソラン)、フルコナゾール(ジフルカン)等を併用している患者には10mgを使ってください、というわけだ。
・・・

CYP3Aを強く阻害する薬剤、イトラコナゾール(イトリゾール)、クラリスロマイシン(クラリシッド)、リトナビル(ノービア)、サキナビル(インビラーゼ)、ネルフィナビル(ビラセプト)、インジナビル(クリキシバン)、テラプレビル(テラビック)、ボリコナゾール(ブイフェンド)の場合は併用禁忌なので、用量を少なくしても併用はできない。

例えば医師が併用薬を調べて、「これはCYP3Aを阻害する薬だからベルソムラは10mgを使おう」という考えに至るのだろうか?
これも一種のジェネリック対策というだけなのだろうか。

肥満者には10mg

ベルソムラのインタビューフォームに、女性や肥満患者に投与した際の血中濃度が書かれている。

2) 性別
本剤20mgを不眠症患者に反復投与した際の定常状態でのスボレキサントのC9hrは、男性患者で 0.335 µM及び女性患者で 0.351 µMであり、同程度であった。本剤40mgを投与した際の薬物動態をPPKモデルにて解析した結果、定常状態でのスボレキサントの C9hrは、男性に対して女性で約5%増加した。

3) BMI
本剤20mgを不眠症患者に反復投与した際の定常状態でのスボレキサントのC9hrは、低体重患者(BMI:18.5 kg/m2 未満、6 例)で 0.171 µM、標準 BMI(18.5 kg/m2 以上、25 kg/m2未満、139例)の患者で 0.323 µM、前肥満患者(BMI:25 kg/m2以上、30 kg/m2未 満、94例)で 0.384 µM及び肥満患者(BMI:30 kg/m2以上、42例)で 0.353 µMであった。
本剤40mgを投与した際の薬物動態を PPK モデルにて解析した結果、定常状態で のスボレキサントの C9hrは、標準 BMIに対して肥満患者で約19%増加した。

ベルソムラは脂溶性が高く、日本人は20mgが常用量となっているが、アメリカ人は10mgなのだそうだ。

しかし販売にいたる経緯にはいろいろあったようだ。
新規不眠症治療薬 スボレキサント(ベルソムラ錠) | アポネットR研究会・最近の話題

なお昨年12月、日本でも10mg錠が追加発売されましたが、用法・用量に変更はありません。10mg錠の添付文書上の位置づけは、あくまでも高血圧治療薬ジルチアゼムなどの薬物代謝酵素CYP3A阻害剤との併用で、本剤の血中濃度が上昇してしまうのを避けることが目的です。しかし、薬物相互作用以外の理由でも、「一時的に減薬して治療が継続できるよう10mg錠の開発が必要である」と、本剤承認時にPMDAが指摘しています。副作用モニター情報〈477〉 ベルソムラ錠の副作用 第2報 – 全日本民医連

日本人でも太った患者さんには10mgがよさげ。

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