更新日:2017年4月5日.全記事数:3,079件

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吸入ステロイドで成長抑制?


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吸入ステロイド薬と小児の発育遅延

吸入ステロイドは直接肺及び気道に作用するので、飲み薬と違って少量ですみます。

しかも、消化管や肺から吸収された薬の大部分は、すぐに肝臓で分解されるので全身性の副作用はほとんどないと言っても過言ではないでしょう。

吸入ステロイド薬と小児の発育遅延について問題となっていましたが、現在は、一時的に成長へのわずかな影響が見られても、長期的な成長(最終身長)に影響を与えないという結論に達しています。

喘息患者の身長発達の抑制は、薬をきちんと使わず、夜間の症状で睡眠不足となり、成長ホルモンの分泌が不十分になるのが原因という話も。

吸入ステロイドの中でもフルタイドは抗炎症作用が強く、肺内到達率が低いので全身性の副作用が少ないため、成長抑制の副作用があまり無いようです。

フルタイドの成長遅延

フルタイドの添付文書には以下の記載があります。

小児等への投与
全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤を特に長期間、大量に投与する場合に成長遅延をきたすおそれがある。長期間投与する場合には投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節することとし、身長等の経過の観察を十分行うこと。また使用にあたっては、使用法を正しく指導すること。

ベクロメタゾンに関しては、5~18歳の軽症瑞息児に対し44週間の連日吸入(1日80μg)を行った結果、1.1±0.3cmの成長抑制が認められました。
また、ブデソニドでは、5~12歳の喘息児が1日400μgの吸入を4年間継続すると、1年目に1.1cmの成長抑制が認められました。
さらに、長期のフォローアップでは、最終身長でも1.2cmの成長抑制が認められました。

成長抑制は、単純な身体サイズだけの問題に留まらず、内分泌機能や免疫機能など全身的な障害の可能性をも意味するため、低年齢では特に注意が必要となります。
フルチカゾンは、前述のベクロメタゾンやブデソニドに比べ、有効性が高く副作用のリスクが低いとされています。
小児喘息を対象としたフルチカゾンに関する過去の論文からは、次のような特徴を見いだすことができます。
(1)年少で(2歳以下)、体格の小さな(15kg未満)子どもに200/μg/日以上を長期間(2年以上)投与すると成長抑制の可能性が生じる、(2)年齢を問わず高用量(375
μg/日以上)投与で成長抑制の可能性が生じる。つまり、小さな子でも、少ない量(200μg/日以下)を2年以内に用いる限り、副作用のリスクは小さいといえます。
シクレソニドも安全性で高い評価を得ています。

参考書籍:日経DI2014.5

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