2018年12月10日更新.3,339記事.5,761,897文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。
NaSSA

NaSSAは神経(特にノルアドレナリン、セロトニン)の活動を高め、伝達物質が出てくる量を増やしたり、伝達物質の一つであるセロトニンの刺激を受ける部位(5-HT1、5-HT2、5-HT3などがある)の中で特に抗うつ効果の少ない5-HT2、5-HT3の作用を抑えることにより、5-HT1への作用を強めることで、気持ちを楽にして意欲を高め、うつ状態を改善する薬です。

ミルタザピンが該当する。四環系抗うつ薬で、鎮静系抗うつ薬とみなされる。
ほとんどの抗うつ薬がトランスポーター阻害によって効果を発現するのに対し、本剤はシナプス前部の自己受容体であるアドレナリンα2受容体の阻害によってセロトニンとノルアドレナリンの放出を促進することで効果を発揮する。
さらにシナプス後部のセロトニン5-HT2受容体を阻害することで性機能障害が、5-HT3受容体を阻害することで胃腸障害が各々出現しにくい。

抗うつ効果は、比較的早期(1週間程度)に発現することが多い。
抗ヒスタミン作用を有するため、体重増加や眠気に注意する。

NaSSAはノルアドレナリンとセロトニンに作用する新世代抗うつ薬ですので、SSRIやSNRIと共通して消化器症状が特徴で、特に便秘の出現率が高いといわれています。
そして、動悸とめまいがSNRIと同様にみられます。
NaSSAに特筆すべき副作用は、口乾、倦怠感、傾眠です。
口乾は時に三環系抗うつ薬と同程度の強さを示します。
また、倦怠感や傾眠はトラゾドン(SSRIが出るまではよく使われた、いずれの種類にも属さない特殊なタイプの抗うつ薬)のそれに似ています。
ただ、この傾眠作用を上手に利用して、うつ状態における不眠の改善に用いることもあります。