2018年10月23日更新.3,351記事.5,706,842文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。
ビグアナイド系薬

肝臓でブドウ糖が新しく作られるのを抑制し、インスリンの働きを良くする。また、腸からブドウ糖が吸収されるのを抑制します。

ビグアナイド類はフェンホルミンで乳酸アシドーシスの副作用により死者が出たことから1970年代以後使用されなくなっていたが、最近になってメトホルミンのインスリン抵抗性改善作用が注目され復権を果たした。
ビグアナイド類にはインスリン分泌促進作用はなく、肝臓からの糖放出抑制、末梢での糖取り込みの促進、消化管からの糖吸収抑制により血糖を降下させる。

最近、メトホルミンの主要細胞内標的分子がAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)であることが明らかになり、AMPKをリン酸化することで糖・脂質代謝に多様な降下をもたらし、インスリン抵抗性を改善することが明らかになった。
欧米では、肥満のある場合の第一選択薬として用いられており、SU類と同等の血糖改善があるとされているが、食事内容、肥満度、使用できる用量などが異なる日本人での効果は確立していない。

ビグアナイド類の副作用で最も注意すべきものは乳酸アシドーシスで、メトホルミンによる発生頻度は9.6~16.2人/10万人であるが、発生すると致命率は50%に及ぶ。
服用中の患者でも下痢や嘔吐などで脱水をきたす危険があるときは服用を中止する。

肝・腎機能、心肺機能に障害のある患者、アルコール多飲者、高齢者では禁忌である。
また、ヨード造影剤を用いる時には一時的に中止する。

【ビグアナイドの作用機序】
AMPキナーゼ活性化による肝臓糖新生の低下

【ビグアナイドの利点】
・豊富な処方経験
・体重増加なし
・低血糖なし
・心血管イベント減少の可能性(UKPDS研究)

【ビグアナイドの欠点】
・消化管症状(下痢、腹部痙攣)
・乳酸アシドーシスのリスク(まれ)
・ビタミンBl2欠乏
・複数の禁忌項目(CKD、アシドーシス既往、低酸素血症、脱水など)