2018年12月10日更新.3,339記事.5,761,897文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。
オレキシン受容体拮抗薬

・覚醒を維持する神経ペプチドの受容体への結合を遮断して睡眠をもたらす。

オレキシンは視床下部のニューロンから産生される神経ペプチドで覚醒状態の維持に重要な働きをしています。
この薬は「オレキシン」の働きを弱めることによって、脳の状態が覚醒から睡眠に切り替わることを助けて、寝つきをよくし、夜間の睡眠を持続させる薬です。

ベルソムラは、覚醒中枢に特異的に作用することによって、本来の眠りをもたらします。
オレキシンは、視床下部のニューロンから産生される神経ペプチドであり、覚醒の調節に重要な働きをしていることが最近の研究で明らかとなっています。

ベルソムラ錠(一般名・スボレキサント)は,覚醒を維持する神経ペプチド・オレキシンに着目した不眠症治療薬である。オレキシンの受容体への結合を可逆的に阻害することで,脳を覚醒状態から睡眠状態へ移行させる。従来のGABA(γ-アミノ酪酸)受容体作動薬などとはまったく異なる機序で睡眠を誘発する。臨床試験では,入眠効果と睡眠維持効果が投与第1日夜から認められた。副作用は傾眠など。

オレキシンは神経ペプチドで,米テキサス大学の柳沢正史氏(現・筑波大学),櫻井武氏(現・金沢大学)らがオーファン受容体のリガンドとして1990年代に発見した。
視床下部のオレキシン神経細胞によって産生され,動物実験では脳脊髄液中のオレキシン濃度は覚醒時に高くなり,睡眠中は低いことが示されている。オレキシン受容体は脳内に広く分布し,ノルアドレナリン,ヒスタミン,ドーパミンなど覚醒に関わる神経細胞にシグナルを送り,覚醒システム全体を活性化している。
睡眠システムと覚醒システムは相互に抑制的に働いて調節されているが,オレキシンは,覚醒中に急に睡眠が生じないように適切な覚醒の維持に寄与していると考えられる。
そこでオレキシンの作用をブロックして覚醒維持を阻害し,バランスを睡眠優位に切り替えて睡眠を誘導するのがオレキシン受容体拮抗薬のベルソムラである。