2018年12月18日更新.3,342記事.5,770,694文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。
アルドステロン拮抗薬

この薬は、体の中にナトリウムを取り込んでカリウムを排泄させ、体の水分や血圧を調節しているホルモン(アルドステロン)が、特定部位(鉱質コルチコイド受容体)に結びつくのを防ぎ、このホルモンの作用を抑えて、体から水分とともにナトリウムが排泄されて血圧を下げる薬です。

ミネラルコルチコイド受容体にだけ選択的に結合する。
副作用少ない。
スピロノラクトンと異なり、女性化乳房などの性ホルモン関連の副作用は報告なし。
抗アルドステロン薬には、心筋線維化抑制などの心血管保護作用も期待される。
心血管障害に対して保護的に作用することが期待される高選択性のミネラロコルチコイド受容体拮抗薬エプレレノンが降圧薬として発売された。

水・電解質に対する効果以外に心血管系の線維化を抑制することにより、重症心不全の生命予後を改善する。
スピロノラクトン(アルダクトンA)、エプレレノンの有用性が示されている。(RALES、EPHESUS)
アルドステロン受容体への特異性の高い、したがって副作用も弱いと考えられるエプレレノンがある。
副作用の点から、またアルドステロンの心・血管臓器障害を抑制するという観点からきわめて有効である。
事実、降圧薬としては25mgで安全に副作用なく用いられる

アルドステロンは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一つで、RASの最終産物です。
アンジオテンシンⅡにより分泌が促進され、腎の遠位尿細管に作用してNaや水の再吸収を促進することで体液量を増加させて血圧を上昇させます。
アルドステロン拮抗薬は、アルドステロン受容体(ミネラルコルチコイド受容体)を阻害することで降圧効果を発揮します。
古典的なスピロノラクトンと、選択的アルドステロン拮抗薬と呼ばれる比較的新しいエプレレノンの2種類があります。
スピロノラクトンはそもそも利尿薬なので、心不全があって少し体液貯留があるような人に投与すると非常に有効です。
ただ、血圧はそれほど下がらないという印象なので、降圧薬として使うというよりはむしろ、降圧利尿薬という使い方が正しいと思われます。
治療抵抗性の心不全症例にも使用可能です。大規模臨床試験の結果、重症心不全症例の予後改善効果が示されました。最近の臨床試験では、選択的アルドステロン拮抗薬を使うことで心筋の線維化を遅らせ、心房細動予防効果を有する可能性も示されています。
この薬で問題になるのは、カリウムが貯留しやすくなることです。とくにACE阻害薬やARBとの併用では高カリウム血症の出現に注意を要します。
古くからあるスピロノラクトンでは女性化乳房や乳房痛などの副作用が問題でしたが、選択的アルドステロン拮抗薬ができてから、そうした副作用は意識しなくて済むようになりました。

投与対象としては、高血圧があって、心不全が前面に出ている人、体液貯留はあるものの、腎機能はそれほど障害されていないような人によく用います。
とくに一度高血圧性の心臓量、心筋梗塞などを発症して、心不全がいつ出てもおかしくないような人に対しては、この系統の薬が必須です。
多くの臨床試験で、心不全の発症を抑制することが示されています。
心臓以外では、副腎の腫瘍などが原因で起こる原発性アルドステロン症の薬物療法では、アルドステロン拮抗薬とCa拮抗薬が治療の中心となります。