2018年12月18日更新.3,342記事.5,770,694文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。
β遮断点眼薬

緑内障治療薬の中で第一選択とされているのは、プロスタグランジン関連薬とβ遮断薬で、いずれも眼圧効果効果が高く、また、縮瞳や散瞳を起こさず、眼の調節機構に影響を及ぼさないことが大きなメリットとされています。

β受容体はグアニンヌクレオチド結合性調節タンパクと連動しており、β受容体にβ刺激薬が結合すると、このタンパクにGTPが結合し、アデニル酸シクラーゼを活性化します。
これによってATPからcAMPが産生されます。
このcAMPがセカンドメッセンジャーとなり、プロテインキナーゼを活性化させます。
プロテインキナーゼは、Na+K+ATPaseに作用し眼房水を産生します。

β遮断薬はこの作用をブロックすることにより、眼房水産生を抑制し眼圧を下降させます。

β受容体にはβ1、β2、β3とサブタイプが知られていますが、毛様体にはβ2受容体が多く存在していることが知られています。

β遮断薬には、非選択性β遮断薬(マレイン酸チモロール、塩酸カルテオロール)と、β1選択性β遮断薬(塩酸ベタキソロール)があります。

β1選択性の薬剤の方が全身性に吸収された場合、呼吸器系の副作用が軽減されますが、非選択性の薬剤に比べると眼圧下降効果は多少弱くなります。

ただ、塩酸ベタキソロールには、カルシウム拮抗作用もあるので、眼血流循環の改善も期待できます。

懸濁性の製剤もあり、点眼時の刺激が少ないように改良されています。

非選択性のマレイン酸チモロールと塩酸カルテオロールの違いは、内因性交感神経刺激作用(ISA)の有無であり、ISAを持つ塩酸カルテオロールは、副作用が少ないのではないかと考えられています。

また、塩酸カルテオロールはマレイン酸チモロールと比較して角膜障害を起こしにくいと言われています。
マレイン酸チモロールには点眼後ゲル化することにより、1日1回タイプの点眼剤もあります。